大学病院とクリニックの勤務の違い

大学病院からクリニックへ転職をしたフミですが、実際転職する前はかなり悩みました。禿げそうな程悩みましたが、結果転職は正解だったと現在は思っています。ただ、やはり働いて見て初めてわかった違い等もあるので書き記しておこうかと思います。転職を考えている方や就職先を検討中の方の参考になれば幸いです。


給与

これは年収で見ると明らかに大学病院の方が良かったです。クリニックは基本給が低く、手当等が多めに設定されているところが多いようです。わたしの転職先も同様でした。手当が充実している分、手取り月収はそれほど変化がなかったのですが、基本給が低いのでボーナスがかなり減り、年収は減ってしまいました。

福利厚生

説明するまでも無いと思いますが、間違いなく大学病院の方が良いです。

シフト?

わたしの場合、転職前も後も2交代制だったので勤務体制はさほど変化はありませんでした。ただ、クリニックは4週8休なのに対し、大学病院は4週8休+祝日分だったので、転職後休みは毎月1〜2日少なくなってしまいました。また大学病院は病床数が多い分、勤務スタッフの数も多かったので、体調不良等で欠員が出てもみんなで補えばなんとかなりました。クリニックは病床数が少なく、夜勤は2人体制なので休むことはほぼ不可能です。万が一、休んでしまうとペアの相手に大きな迷惑をかけてしまいます。

業務内容

大学病院では業務が細分化されていたので、助産師は助産業務に集中していればOKでした。クリニックでは今まで他の職種の方にやってもらっていたことも自分でやらないといけないことがあります。わたしの場合だと、使用後の分娩室のリネン交換や清掃、使用した機械の洗浄滅菌、薬品の在庫管理や発注、医療機器不具合時のメーカーさんとのやりとり等はクリニックで初めて経験しました。今までたくさんの人に支えられて助産業務ができていたんだなと実感しました。

入院患者さんのケア必要度はクリニックのほうが低く、分娩も大学病院のように5,6人同時進行中なんてことはないので、1人の患者さんとゆっくり関わることができます。ただスタッフ数も少ないし、分娩台が一つしかないので、ごく稀に分娩が3件程重なってしまうときはとても大変です。

転職後、一番大変だったことは医師がクリニックにいない時間があることです。大学病院では常に当直の医師が院内に居ましたし、若手の先生はいつもステーションにいたので何かあればすぐに報告相談ができました。クリニックでは休日や夜間は医師が不在です。もちろん連絡すればすぐ駆けつけてくれるのですが、医師の貴重な休息の時間なのであまり気軽に呼ぶことはできません。正常に経過していれば困ることはないのですが、分娩進行が思わしくなかったり、入院患者さんの調子がイマイチなときはどの時点で医師に連絡をすべきか悩んでしまうことは多いです。
そして、クリニックには小児科がありません。小児科医がいません。生まれてきた赤ちゃんに蘇生処置が必要な場合、大学病院ではすぐ小児科医師が対応してくれましたが、クリニックでは自分でやらなければなりません。幸いわたしは今までそのような場面に遭遇していませんが、いつ起きてもおかしく無いのでNCPRはしっかり頭に入れておこうと思っています。

ワークライフバランス

先程クリニックでは大学病院より休みの数が減ってしまったと書きましたが、実際に職場に行く回数は転職前より少なくなっています。なぜなら係活動や委員会、研究等での休日出勤がほぼゼロになったからです。大学病院の頃はひどい時には月の休みの半分は出勤することもありました。また、クリニックでは細かいカルテ入力等がないので残業はほぼありません。そのため、プライベートと仕事のバランスはかなり取りやすくなりました。日勤で帰宅後疲れすぎてシャワーも入れず寝てしまうようなことが以前はよくありましたが、いまは夕飯をしっかり作る余裕もできました。

総合的に考えて

バリバリ働いてがっつり稼ぎたい方にはやはり大きな病院のほうが向いていると思います。お給料はそこそこでもある程度余裕をもって働きたい方にはクリニックでの勤務もおすすめです!